こんにちは。食品工場従事者のサカイです。
食品工場と一口に言っても様々です。
広い敷地に巨大な建物で従業員が何百人も従事している大きな食品工場
もあれば
民家のような小さな建物で数人の従業員を従え運営している家族的な食品工場
もあります。
今回の記事では、小さな食品工場にフォーカスします。
これから働こうかなと目星を付けている食品工場が小さな食品工場だとちょっと心配ですよね。
- 経営的に大丈夫なの?
- どんな雰囲気なの?
- 将来性は?
と不安は尽きないと思います。
食品工場従事歴15年のサカイが
小さな食品工場で働くメリット・デメリットについて解説します。
学生時代、ケーキ製造工場でアルバイト。
大学卒業後1年半ニート生活を送った後、近所のコンビニ弁当の食品工場で5年パート勤務。
その後、冷凍食品の食品工場に正社員として転職。
食品工場で働き続けて早15年。
現在、係長職のアラフォー男です。
小さな食品工場とは…
まず、小さな食品工場の定義からはじめます。
いわゆる、中小企業の定義は、中小企業基本法で業種別に決められています。
食品工場は製造業にカテゴライズされるので、従業員が300人以下の食品工場は中小企業になります。
300人と言ったら近年の中学や高校の全校生徒に匹敵するくらいの人数なのではないでしょうか?
かなり多いですよね。
サカイが前職で働いていた食品工場は従業員が100人ほど(本社と全国の支社をあわせると1000人程)でしたが、100人でも結構多かった印象です。
現在、勤めている食品工場は50名弱ですが、小さいという感じではないです。
というわけで、今回の記事で取り上げる小さな食品工場の定義は
従業員が数人~30人程度
とします。
小さな食品工場で働くメリット
では、小さな食品工場で働くメリットを紹介します。
家族的だから安心
小さな会社のことをよく「家族的」と形容します。家族のように、親しく、和気あいあいとした環境であるという意味です。
食品工場で働いていて、何が一番ストレスかというと、人間関係です。
どうしても好きになれないクズ上司がいたり、パワハラしてくる上司がいると、もう、ほんと、最悪です。
家族的な工場であれば、先輩後輩の上下関係が緩いです。ピリピリとした雰囲気は皆無で、温かく迎え入れてくれます。人間関係のストレスは大きな食品工場と比べると劇的に少ないです。
小さな食品工場では、家族的というか実際に家族が運営していたりします。
社長が父親で、総務が母親で、息子が専務で、息子の嫁が事務員で、息子の嫁のいとこがパート従業員みたいな。
アットホームな雰囲気の食品工場では、まるで自分もその家族の一員になったかのようにリラックスして働けることでしょう。
小さな歯車にならない
大きな食品工場では、自分に与えられた持ち場の仕事を延々とやり続けることになります。もう、とにかくひたすらに、です。
ひとつの小さな歯車として延々と働くことになります。
小さな食品工場では、なんせ人員が少ないので、手広く仕事をする必要があります。これもやってあれもやって、まさに大車輪の活躍です。
もちろん、一つの仕事を黙々とやりたいというタイプの人もいます。ただ、「やりがい」や「充実感」は確実に小さな歯車よりも大車輪にあります。
出世しやすい
大きな食品工場だと従業員が数百人いますので、その中から頭角を現すのは難しいです。サカイは前職で5年程働いてましたが、社長や常務などはサカイの名前すら知らなかったと思います。その他大勢に埋もれてしまい、故に出世が難しいです。
小さな食品工場であれば、むしろ逆に工場側が「あなたに出世してもらわなければ困る」のです
なぜなら、小さな食品工場で、10年先20年先の工場の未来を考えた時、今いる若手従業員に育ってもらわなければそこで会社は潰れてしまうからです。
とはいえ、仕事が出来なければ、いくら小さな食品工場でも出世はできません。しかし、頑張れば頑張っただけ、結果を出せば結果を出しただけ、正当に評価されます。
お笑い芸人の世界でも芸人がたくさん在籍する吉本興業では売れなかったが他事務所に移籍して売れた芸人(最近だと錦鯉)ってたくさんいますよね。
転職に有利
小さな食品工場だと出世しやすいです。出世すると主任、係長、課長、部長と、役職がつきます。転職の際に前職で役職者として従事していたという事実は武器になります。
ぶっちゃけ、
大きな食品工場の平社員
と
小さな食品工場の役職者(主任から課長辺りまで)
であれば収入は前者の方が多い可能性大です。
しかし、転職の際に前職で役職者だったという事実は学歴や資格と同程度のインパクトを発します。
また小さな食品工場では自分の持ち場以外の仕事もたくさん受け持ちます。
- 工場の仕事は部署の垣根なく行いますし
- 事務所では電話対応もしますし
- 月末には総務で伝票をまとめたり
- 時には面接官をしたり
- HACCPの資料を作ったり
- クレーム報告書を作ったり
- 原材料を問屋まで引き取りに行ったり
- 業者が工場に来た際は立ち会ったり
大きな食品工場では、受け持つ仕事の幅が狭いですが、小さな食品工場では、仕事の幅が必然的に広くなります。
小さな食品工場のほうが、転職の際にアピールできる武器が豊富なため有利です。
届け出の融通
家族的な小さな食品工場であれば、早退や欠勤や中抜けの際に届け出を書かなくても咎められません。
一般的には
- 早退なり欠勤する旨を届け出に記載し
- 押印し
- 所属長や工場長のハンコを貰い
- 社長に提出する
という面倒な流れがあります。
しかし、小さな食品工場では
今日さ、午後から暇だよね?
暇だよ
じゃ、ちょっと皮膚科行ってくるわ
寄り道しないでまっすぐ帰ってくるんだよー
わかってるって
ってな具合で皮膚科へGOできます。
小さな食品工場のデメリット
では、次にデメリットの紹介です
給与が安い
食品工場の規模で給料の水準は大抵決まります。
小さな食品工場がなぜ小さいかというと売り上げが少ないからです。
売り上げが右肩上がりでぐんぐん上昇しているのであれば、
- 従業員は増え
- 会社も大きくなり
- 新工場が立てられ
- 本社と支社に分かれ
と、どんどん規模が広がります。
どんなに頑張っても小さな食品工場の場合、売上高が限られているので、給料もそれほど貰えません。
故に、小さな食品工場の役職者より大きな食品工場の平社員の方が収入が多いのです。
働く上で最も大事な収入が少ないのは大きなデメリットです。
繁忙期がきつい
大小問わず、食品工場には繁忙期がります。大きな食品工場では、繁忙期の際に臨時で派遣社員を入れたり短期アルバイトを雇ったりして対策をとります。
食品工場は雇ってもすぐに辞める人が多いので、例えば、繁忙期の際に人手が10人必要な場合、数日で辞める人をあらかじめ見越して多めに15人採用します。
5人も多く雇うなんて大きな食品工場だからこそ出来る所業であり荒業です。
また、大きな食品工場では繁忙期でも定時に帰ることが可能です。なんせ従業員が多いので早番、中番、遅番、夜勤と勤務時間帯を分けることで対応できるのです。
小さな食品工場は上記のような対応が出来ません。大量の生産が入っても基本は、今いるメンバーで立ち向かいます。
朝から深夜近くまで働くなんてこともざらにあります。
前職の食品工場での繁忙期。連日、主婦のパートさんを朝9時から深夜25時近くまで勤務させた某H工場長。
ある日、とある主婦のパートさんの旦那が工場に乗り込んできて「どんだけ働かせるんだ、ふざけんなよ!」とブチギレた事件がありました。
こわーい
出会いが少ない
小さな食品工場は従業員が少ないので必然的に出会いが少なくなります。
食品工場には年配の主婦の方が多いです。若い方は少ないです。しかし、大きな食品工場であれば、若くて美人な女性(もちろんイケメンもいます)がいます。
いやいや、仕事場で出会いなんて求めてないよ
という方もいるでしょうが、
ちょっといいなーと思える異性のいる仕事場って良いものだと思いますよ(しみじみ)。
サカイのおじさん・・・泣いてる!?
恋愛抜きにしても、従業員の多い大きな食品工場では気の合う友人が見つかる可能性が大ですが、小さな食品工場ではその可能性が狭まります。
おわりに
というわけで、小さな食品工場で働くメリットとデメリットについて書きました。
小さな食品工場で働くメリットは
- 家族的な仲間とストレスフリーで仕事が出来る
- 出世しやすい
- 手広く仕事が出来る
- 転職に有利
- 届け出などの融通が利く
- デメリットは
- 給与が安い
- 繁忙期がキツい
- 出会いが少ない
でした。
サカイ的には手広く仕事が出来るというのが一番のメリットです。
やはり、日々仕事をしていて「やりがい」や「充実感」があった方が、絶対楽しいです。頑張ったからこそ、休日がウキウキ嬉しく感じたりするものです。また、小さな食品工場だと、会社の経営のリアルが覗けて興味深いものです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。