こんにちは。食品工場従事者のサカイです。
本日の記事では、食品工場で働く際に必要な資格はあるのかについて書きます。食品工場では人の口に入る食品を製造しています。もし、その食品の中に針や金属片などの異物が入っていたり、菌が増殖していたりすると、喫食者の健康を害してしまいます。
たまにニュースなどで話題になったりもしますが、重篤な食中毒が発生すれば、場合によっては喫食者が死亡するケースもあります。
ですから、「これから食品工場で働こうかな?」と考えている人の中には
食品工場で働く際には必要な資格があるのではないか?
と疑問に思う方もいるのではないでしょうか?
本日の記事では「食品工場で働く際に必要な資格」について食品工場従事歴15年のサカイがお話しします。
結論:必要な資格はナシ
食品工場で働く際に必要な資格はありません。意外に思われる方もいるかもしれませんが、必要な資格はありません。
必要な資格はありませんが「食品」という人の口に直接入るものを製造しているわけですから、安心・安全な食品を製造するための知識は必要不可欠です。
食品工場に入社するとまずは衛生マニュアルの教育があります。これは社員でなくてもあります。パートでもアルバイトでも食品工場で働く上での必要最低限の知識は理解してもらわなければ困るからです。
食品工場における衛生マニュアルの内容はだいたいこんな感じです↓
手洗い
衛生教育のなかで最も大事なのが手洗いです。基本中の基本ですが、これ、何よりも大事です。
コロナ対策でも、最も有効な感染対策が手洗いであると言われていますよね。ほぼすべての作業は手で行いますから手洗いさえしっかりとしていれば2次汚染なども大幅に防げます。
また、食品工場ではゴム手袋を着用しての作業になりますが、アレルゲンを含む原材料を触った場合はゴム手袋ごと取り換えるなどの対策が必要になります。
健康管理
食品工場従事者は、工場に入室する前に「健康チェック表」に自分の体調に問題はないか記録します。
問題がある場合は、基本工場に入室できません。なぜかというと感染拡大防止のためです。
体調不良の方の飛沫が食品に付着すると2次汚染なってしまいます。特に怖いのがノロウィルスです。ノロウィルスは他のウイルスと比べて感染力がレベチなので非常に危険です。
本人は健康でも家族にノロウィルスの疑いがあれば、工場へ入室できません。それくらいノロウィルスは危険なのです。
ちなみにノロウィルスの感染者の特徴は嘔吐や下痢なので、家族がこのような症状の場合はノロウィルスの疑いがあるので、しばらくは食品工場で働くことはできません。
食中毒の基礎知識
食品工場で一番起こしてはならない事案は食中毒です。はっきりいって食中毒を起こしたら小さな会社なら潰れます。大きな会社でも信頼を大きく失います。でも、食中毒って案外簡単に起こってしまうのです。だからこそ気をつけなければいけません。
特に注意しなければならない季節が夏です。夏場は食品がすぐに腐ります。なぜなら、温度が高いと菌が増えるスピードが高くなるからです。30度~40度くらいの温度帯の時、菌は爆発的に増加します。
ちなみに食中毒予防の3原則は
- 「つけない」
- 「ふやさない」
- 「やっつける」
「つけない」
手洗いや器具の洗浄で防げます。
「ふやさない」
冷蔵庫で管理することで防げます。
「やっつける」
加熱することで菌を滅菌できます。
この3原則は一般家庭でもとても参考になりますね。
身だしなみ
食品工場では食品を扱うわけですから清潔な身だしなみが求められます。具体的にはピアスやつけまつげなどの装飾品は異物混入の可能性があるためつけれません。
食品工場の帽子は少々複雑なので毛髪がでない帽子の被り方やユニフォームの着用の順番など(帽子→上着→ズボンと上から下の順番で着用していきます)を教わります。
工場入室時のコロコロの仕方やエアーシャワーの入り方などについての説明があります。
以上の衛生マニュアルをきちんと覚えて正しく実行することが、食品工場で働くために必要な、ある意味「資格」といえるでしょう。
ちなみに、持っていると面接時に優遇される資格としては…
- 「フォークリフト免許」
- 「自動車運転免許」
- 「調理師」
- 「衛生管理者」
などがあります。
しかし、これらの資格は持っているだけではそれほど意味がありません。「へぇ~そうなんだ」くらいです。
なぜかというと、結局大事なのは「実際どれくらいできるんですか?」ということに尽きるからです。
フォークリフトの免許はあるけどもう10年運転してない人には大切な製品の移動を怖くて任せられません。
ペーパードライバーの人に社用車で事故起こされたら困ります。
調理師免許を持ってても包丁の研ぎ方すら知らない人においしいものが作れるとは思えません。
まとめ
食品工場で働く際に必要な資格はありません。全くの未経験でも働けます。
しかし、人の口に入るものですから覚えなければならない決まり事はあります。はじめて食品工場で働く場合は、まず衛生マニュアルについての教育があります。
「手洗い」「健康管理」「食中毒について」「身だしなみ」など基本的なルールについて学びます。
これら、衛生マニュアルについて正しく理解することが食品工場で働くための、ある意味「資格」といえますので、しっかりと学びましょう。
それでは、本日も最後までお読みいただきありがとうございました!
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