こんにちは。食品工場従事者のサカイです。本日の記事では、食品工場従事歴15年のサカイが「食品工場あるある5選」を紹介します。
「これから食品工場で働いてみようかなぁ?」と考えている方にとって、
食品工場の現場の雰囲気や空気感が実際どんな感じなのか
は気になるところなのではないでしょうか?
食品工場の具体的なあるあるを通じて
「へぇー食品工場ってこういうところなんだぁ」
と少しでも理解していただき、食品工場を身近に感じてもらえればと思います。
では食品工場あるある♪いってみよう!
私服だと誰かわからない
食品工場では制服を着て作業します。どんな制服かというと

こんな感じです。
帽子を被りマスクつけ、上着とズボンを着用します。さらに防水・耐熱仕様のエプロンをつけます。
この画像を見て頂ければ一目瞭然ですが露出部分は目だけです。
なので、同じ体系の人同士だとパッと見、見分けがつかなかったりします。
目しか露出はしていませんが、工場の人間は、不思議なもので、その人独自の
- 姿勢
- 動き方
- オーラ(?)
などで、判別できるようになります。
目しか露出していない状態で誰が誰だか判別できるという高度の眼を持っているのにもかかわらず、逆に露出しまくりの私服姿だと判別できなかったりします。
特にパートさんは判断が難しいです。
会社の玄関や廊下などで私服姿のパートさんとすれ違った時、
「お疲れ様でーす」
と挨拶され
サカイも
「お疲れ様です」
と挨拶するものの
「えっと?誰だっけかな?」
となります。
基本、社員はパートさんよりも早く出社し、遅く退社しますので、パートさんの私服姿を見る機会は少ないのです。
故に、同じ会社で働く従業員であり大事な仲間であるパートさんにも関わらず
「誰だ?」
となってしまうのです。
食品工場の制服着用時は「普通の主婦のパートさん」という認識だったのに私服姿だと
「案外、美人なんだな!」
というケースも稀にあります。
男性従業員の場合だと、帽子を脱いだ瞬間に
「ハゲとるんかーい!」
というツッコミを心の中で叫ぶパターンもありますね。
食品工場の制服は目しか出ていないという非常に匿名性の高い服装だけに、私服に着替えたときのギャップは食品工場あるあるのひとつでしょう。
工場見学の時だけ工場がピカピカになる
最近はコロナ禍ということもあり頻度は減っていますが、それでも月に一回程度はお客さんが工場見学をされます。
食品工場というのは食品を製造しているわけですからとにかく衛生的でなければなりません。
しかしながら、いついかなるときでも食品工場は5Sが厳守され、清潔なのかといえば、必ずしもそうではありません。
生産が多かったりすると、どうしても散らかってしまいます。繁忙期ですと原料や資材の仕入れも多くなり、通路がモノで塞がったり、冷凍庫がパンパンになったりします。
また、調理部門は水を使いますので壁や床にカビが生えたりもします。
このような状態をお客さんに見られたら非常にマズイわけです。成立した商談も現場の工場が不衛生であれば
「先ほどの話はなかったことに…」
となりかねません。
事前にお客さんが見学に来る日にちが決まっていれば、前日は大掃除です。徹底的に掃除します。壁から床から時には天井までやります。各自、エプロンや長靴を洗い、制服は前日に洗濯するなどして身なりも綺麗にします。整理整頓し通路を確保し、見られたくないもの(いろいろとあるのです)は隠します。
そして、いつもとは大違いのピカピカの工場で、お客さんを迎え、
「いらっしゃいませー!」
と、元気に挨拶するのです。
事前にお客さんの見学が決まっていれば、上記のような対応が取れるのですが、たまに事務所での商談後、唐突に
「せっかくなので、工場の方、すこし見学してもいいですか?」
という正直迷惑なお客さんもいます。
こういう場合は、まず事務所の人間が食品工場に素早く内線をかけます。
「お客さん、急遽工場見学です!!」
そして各部署に怒号のごとく
「お客さんが来るぞー!」
となるわけです。
ドラマ「半沢直樹」で国税の抜き打ち監査が突如来た時の銀行のような緊張感が走ります。
ゴミ捨てろ!
床の水切れ!
通路を確保しろ!
隠せるものは隠せ!
日報はちゃんと書け!
ホースは巻き付けろ!
アルコールを用意すれ!
で、工場入口付近にお客さんの姿が現れたら
今コロコロやってるからもう来るぞー!!!
工場長、冷凍庫がぐちゃぐちゃです!
俺が先に搬入口から案内して時間稼ぎするからその間に整理しとけー!!
隠せるものは隠せー!
まさに半沢直樹の世界が繰り広げられます。
お客さんの工場見学を巡る激闘は、食品工場あるあるのスリリングな部分です。
せっかく掃除したのに…
事前にお客さんが工場見学の予定が決まっていれば、掃除を念入りにします。特に調理部門は床や壁にカビが生えやすいので、念入りに掃除をします。
次亜塩素を使用しブラシでゴシゴシとこするのですが、これ、なかなかの重労働です。掃除って結構体力を消耗するのです。時間もかかります。
一生懸命やって綺麗にします。
一生懸命やった分だけ綺麗になりますのでやりがいはあります。
時間をかけて綺麗にした壁や床。
せっかくなので、お客さんにも見てほしいのです。
あわよくば「綺麗ですねー」の一言を頂戴したいわけです。
しかし、大抵は、綺麗にした床や壁を全く見ることなく見学終了となります。
あんなに掃除したのに!
スルーかよ!
全く見てなかったじゃん!!
掃除した意味っっ!!!
工場見学のお客さんは10人いたら9人はそんな細かいところまではチェックしないですね。でも10人のうちの1人はめっちゃ見てくるんです。こういう厄介な人がいるので、工場側としては一応掃除は抜け目なくやっとかないといけないのです。
独特なリズムを刻みがち
ライン作業では流れてくる容器に長時間盛り付けやトッピングをします。同じ動作を長時間行うので独特なリズムを刻みながら作業をする方が存在します。深く集中し、効率の良い動きを追求し、同じリズムを刻むことで体の負荷を減らします。
ある種のゾーン状態です
だいたいこういう我流のリズムを刻みながらライン作業をしている人は
できる人
です。
ライン作業は「つまらない」「退屈」「誰でもできる仕事」という負のイメージが強いです。あまり誇れる仕事といった類の内容ではありません。
しかし、どんな仕事でも意識を高く持ち、向上心を持ってプロフェッショナルに仕事に徹している人は尊敬できます。
サカイは、我流のリズムを刻みながらライン作業をしている人、カッコイイと思います。
もし、これから食品工場で働こうと思っている方が、食品工場のライン作業で働くことになったら、上記のように「独特なリズムを刻んでいる」人にアドバイスをもらうと良いでしょう。
遅い時間になると壊れる。そして妙な一体感が生まれる。
食品工場には繁忙期があります。工場のキャパをオーバーした生産量の時も稀にあります。
朝からずーっと働いて、夜の20時過ぎたあたりになると、みんなの目が死にます。そして22時を過ぎると壊れる人がちらほら現れます。急にテンションが高くなったり、急に歌を歌いだしたり…。
そして、24時を超えると妙な一体感が生じます、
「今帰っても6時間後にはまた会社で会ってるよね」
「ってか、会社に泊まったほうがいいんじゃね。食品工場だから、食べ物はいくらでもあるしさ」
「いや、一瞬でもいいから家に帰りたいわ」
みたいな、なんか仕事モードとオフモードが重なり合って妙な一体感が生まれます。
「食品工場あるある5選」でした。
他にもたくさんあります。
例えば、
- 「長靴に水が入ったらテンション下がりがち」
- 「自分が休みの日に忙しいと得した気分」
- 「ロスの食品をもらえるから食費が浮く」
等など、たくさんあるので、食品工場あるあるはまた機会があれば書こうと思います。
サカイがこの記事で伝えたいことは食品工場の実際の雰囲気とか空気感が実際どんな感じなのかということです。
「これから食品工場で働こうかな」と考えている方にとって、求人票に書いてある
- 「盛り付け/シール貼り/仕分け/野菜のカット/などの単純な作業です」
- 「誰でも出来る簡単なお仕事です」
とかの短い一文だけだと不安ですよね。
サカイは、食品工場で15年間働いていますので、この経験を生かして、本ブログ「ビバ!食品工場従事者のキモチ」では食品工場のリアルな雰囲気みたいなものを、これからも紹介していけたらなと思っています。
では、本日も最後までお読みいただきありがとうございましたー!
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