こんにちは。食品工場従事者のサカイです。
今年(2021年)の夏は近年稀に見る暑さです。サカイの住む地域は、もう2週間くらいずっと真夏日が続いています。さすがに夏バテ気味のサカイです。
さて、
夏の食品工場
はどのような環境だと思いますか?
食品を扱う工場なのだから、夏だろうが冬だろうが、気温はきちんと管理されていて、暑くも寒くもない心地よい気温に調整されているとお思いでしょうか??
実際のトコロ
夏の食品工場は…めちゃくちゃ暑いです!
もちろん、常に冷房は入れてますが、それでも夏場は暑いです。
というわけで、本日の記事では「夏場の食品工場での暑さ対策」について、食品工場従事歴15年のサカイが語ります。
基本は水分補給
暑さ対策の基本は水分補給です。
こまな水分補給、これが最も大事です。
喉が渇いてから水分補給をするのではなく、喉が渇いていなくても小まめに水分補給をすると良いです。時間を決めて(例えば1時間なら1時間置きに)水分補給をしましょう。
水分補給さえしっかりと徹底すれば、熱中症になることはまずないです。
塩分補給もしたほうが良いって聞くけど
熱中症対策として、水分補給と同じくらい大事とされているのが塩分補給です。
しかし、これ、実は必要ないのです。
もちろん、塩分が欠乏すると熱中症になってしまいます。
しかし、多くの日本人は普段の食事から必要量を大きく上回る塩分を既に取っているのです。
和食はヘルシーで健康的というイメージがあり、世界的にも注目されています。
しかし、和食の唯一のデメリットは塩分過多なところです。
味噌汁、梅干し、焼き魚、漬物などには塩分がたっぷりと含まれています。
なので、塩分よりも、
水
水分補給を心がけましょう。
とはいえ、食品工場では塩飴が必要なくらいダラダラと滝のように汗をかく作業があります。
それは、
- 蒸気式の蒸庫や殺菌庫での作業
- フライヤーでの揚げ物
- ニーダーで自動攪拌ではなく人力で攪拌しながらの加熱調理
以上の3つです。
蒸気式の蒸庫や殺菌庫での作業
食品工場では食材を蒸す際やバットや調理器具などを殺菌する際に
蒸気式の蒸し庫(殺菌庫)
を使用します。
高温の蒸気がジェットのように噴出され、庫内温度は100度近くまで熱くなります。
この蒸し庫を使用した作業は汗を掻きます。
特に夏は地獄のような暑さです。ユニフォームが一瞬にして汗でびちょびちょになってしまいます。
まるで、ミストサウナのなかで作業をしているような過酷さがあります。
フライヤーでの揚げ物
巨大なフライヤーの中に180度の高温の油が大量に入っており、コロッケや白身フライやちくわの磯部揚げなどを大量に次々とスピーディーに揚げます。当然、熱いです。
蒸気式の蒸庫とはまた違った種類の熱さです。肌に焼きつくようジリジリとした熱さがあります。
また、高温の油を取り扱いながらの作業ですので、大火傷のリスクも常に隣り合わせにあります。
緊張感も相まって余計に汗をかいてしまいます。
機械による自動攪拌ではなく人力で攪拌しながらの加熱調理
ニーダーという巨大な業務用調理釜を使用し加熱調理する際は、
攪拌方法は2種類あります。
- 機械で攪拌
- 巨大なしゃもじのようなものを使用し自力で攪拌
真夏に自力で攪拌すると汗が止まりません。
特に澱粉が大量に入っていて粘度の強い製品(あんかけ焼きそばの具とか、肉まんの具とか)の場合は地獄です。
かき混ぜるだけで一苦労です。もう全身運動です。腕、腰、足に力を入れて、ひたすらかき混ぜます。
非常に疲れるし熱いです。
もちろんユニフォームは一瞬にして汗でびちょびちょになります。
尋常ではないくらいの汗を掻いたときは、水分補給と共に塩分の補給もしましょう。
冷蔵庫あるいは冷凍庫に涼みに行く
上記のような作業をした後は、汗がしばらく止まりませんし、体温も上がっています。
このような場合は、応急処置として、冷凍庫に入り、涼みましょう。
冷凍庫に入る?一体どうやって?
と疑問に思ったあなた!
食品工場の冷凍庫は家庭にある冷凍庫とは異なります。正確には冷凍部屋と表現した方がわかりやすいかもしれません。広いスペースの部屋全体が、冷凍庫なのです。
冷凍庫というより冷凍部屋。普通の冷凍庫に無理やり入るのはやめましょう。のび太の部屋にある机の引き出しみたいに四次元空間は広がっていません。
食品工場にある冷凍庫はマイナス30度の温度に保たれています。
マイナス30度の冷凍庫に入れば、1分程度で体の火照りも収まります。頭もリフレッシュされます。
着替えを持っていこう
汗で濡れたままのシャツで作業を続けるのは、あまり気持ちの良いものではありません。
夏場は着替えのシャツを持っていく
これ、常識です。
濡れたままのシャツでは風邪を引くリスクも生じます。なによりも、不快ですので着替えましょう。
食品工場で働くと独特な匂いがユニフォームや肌着に染みつきやすいです。ただでさえ、匂いが付きやすい食品工場での作業ですが、夏は汗を大量に掻くことでさらに匂いがつきやすいです。
独身の男性従業員は洗濯がおろそかになりがちなので、夏場に激臭を放つ人が稀にいます。
食品工場は女性従業員の割合が多いですから、常に清潔感を気にしたいところです。
ユニクロのエアリズムや速乾性のTシャツがおすすめ
肌着は綿ではなくユニクロのエアリズムやスポーツウェアの速乾性の高いTシャツがおすすめです。
サカイの経験上、綿のシャツは臭くなります。綿製品は汗を吸収してくれますが、吸収して汗を発散することができないのです。なので汗を掻けば書くほど、どんどん綿に汗が蓄積され続けていきます。
なので匂いが生じやすいのです。
エアリズムやスポーツ用品のシャツは汗をすぐさま吸収し、発散します。すぐに乾きます。なので、汗を掻いても匂いが生じづらいのです。
替えの靴下も持っていこう
長靴に水が入ると一日中テンション下がりがち
というのは食品工場あるあるの一つです。
夏場だと長靴のなかに水が入るとカビやすくなります。
そして信じられない程の異臭がします。
長靴の中が、真っ黒のカビだらけになります。
対策としては長靴のなかに消臭効果のあるインソールを入れ、保管時は乾燥剤を入れることです。
カビや菌の繁殖の防止し、長靴の中の匂いの軽減に役立ちます。
夏場に限らず長靴の中は乾燥剤を入れて保管すると良いでしょう。
まとめ
夏場の食品工場は非常に暑いです。
熱中症対策としては、水分補給の一択です。
とにかくこまめに水分補給です。喉が渇いていなくても水分補給です。喉が渇いてからでは遅いです。
そして塩分補給は特に気にする必要はありません。
なぜなら、多くの日本人は塩分過多な食事を普段からしているからです。わざわざ塩分を取らなくても過剰摂取と言ってよいほどの塩分を取っていますので気にする必要はないです。
しかし、滝のようにだらだらと汗を掻く地獄のような作業
- 蒸気式の蒸庫や殺菌庫での作業
- フライヤーでの揚げ物
- ニーダーで自動攪拌ではなく人力で攪拌しながらの加熱調理
をする際は、水分補給と共に塩分補給も心がけましょう。
熱くなった体温を手っ取り早く戻すには、冷凍庫で涼むことです。1分もあれば体温は下がり頭はリフレッシュされるでしょう。
着替えの肌着と替えの靴下は用意しましょう。
シャツは綿よりユニクロのエアリズムや速乾性の高いスポーツウェアのシャツのほうが、匂いが生じづらいです。
というわけで、毎日暑いですが、こんな夏の熱い時期こそ、体調を万全にして身なりを清潔にして働きましょう!