こんにちは。食品工場従事者のサカイです。本日の記事では、「食品工場の匂い問題」について書きます。
食品工場で働いたことのない人からすると
「食品工場の匂い?」ってどういうこと?
と疑問に思うかもしれません。
実際に働いてみるとわかりますが、食品工場では食品を製造する過程で様々な匂いが生じます。
「匂い」というものが及ぼす影響はめちゃくちゃ大きいです。
苦手な匂いの中で毎日ずーっと働き続けるのはキツイものです。
本日の記事では食品工場で生じる匂いについて食品工場従事歴15年のサカイが様々な角度から詳しく書きます。これから食品工場で働こうかなーと考えている方の参考になれば幸いです。
食品工場の匂いの種類
食品工場と一口に言っても、何を製造している工場なのかによって匂いは異なります。種類別に解説します。
惣菜や弁当を製造している食品工場
食品工場の王道です。サカイも以前はコンビニの弁当を製造している食品工場で働いていました。
惣菜や弁当を製造している食品工場の特徴は多品種少量生産(多品種少ロット)です。
スーパーのお惣菜売り場やコンビニの弁当売り場を眺めれば一目瞭然ですが、たくさんの商品が並んでいますよね。つまり、たくさんの種類を、少量生産しているのです。
ミートソース、カルボナーラ、唐揚げ弁当、のり弁当、コロッケ、ミネストローネ、等などたくさんの種類を一つの工場で製造すると、様々な匂いがミックスされて独特な匂いになります。
いわゆる「くさい」匂いではないのですが、苦手な人は苦手でしょう。
水産加工系の食品工場
水産物、特に魚を加工する工場では生臭い匂いが生じます。どんなに清掃を徹底しても魚の匂いというものは残りやすいため、食品工場自体が生臭い匂いで支配されています。
さかなクンや釣り好きの方など魚が好きな方ならこの匂いは全く問題はないのですが、苦手な方はやめておいた方が無難です。
作業中は基本的にゴム手袋や切創手袋を着用しての作業になります。手に匂いが残ることはないので、そこは安心です。
ケーキ・菓子の食品工場
惣菜や水産系の工場と比較すると、ケーキや菓子の製造工場の匂いは良さげな印象があるのではないでしょうか?
サカイは過去にクリスマスシーズンのケーキ製造工場で2週間程アルバイトをしたことがあります。
実際問題、ケーキ工場は甘くて美味しそうな匂いがします。
甘くて美味しそうな匂いの中で作業できるなんて幸せ…とサカイは思いませんでした。
サカイはケーキ工場で、ひたすら上白糖や卵や小麦粉の計量をする係でした。これがとにかく重労働なのです。当時(20代前半の頃)のサカイは体力もなかったので、辛くて大変でした。
そんな辛くて大変な作業中にずーっと嗅ぎ続けた甘い匂い。
本来は良い匂いのはずが大嫌いになりましたね。
匂いと記憶は密接な関係があるため、今でもケーキの甘い匂いを嗅ぐと、当時の辛いケーキ工場での記憶が蘇ります。
食品工場の匂いを知る方法
上述したように食品工場では製造する種類によって様々な匂いが生じます。
しかし、これから食品工場で働こうと考えている方は、
実際に働いてみないと、どんな匂いなのかわからないじゃないか!
と思うことでしょう。
食品工場の匂いは食品工場の建物の中に入らなくてもわかります。なぜなら、工場付近まで匂いが漏れているからです。
日中であれば、多くの食品工場は絶賛製造中です。排気・換気ダクトから食品工場内の匂いが排出されていますので、匂いを確認することが出来ます。
わざわざ匂いの確認なんて面倒だとは思いますが、サカイ的には事前に確認することは大事だと思います。
せっかく入社しても「匂いで無理だわー」となるパターンも結構ありますからね。
食品工場の周りをうろうろして匂いチェックってちょっと不審者っぽいですけどね
サカイのおじさんは、いつでも不審者っぽいよ
食品工場での匂いは体に染みつく?
一日ずっと食品工場で働くと、体中に匂いが染みつきます。匂いを取るには一度シャワーを浴びる必要があります。
仕事終わりにスーパーやコンビニくらいなら全然行けますが、映画館やコンサート、あるいは、ディナーをする場合は、一度シャワーを浴びる必要があります。
また食品工場ではピッタリとした帽子を着用しての作業ですので髪型が崩れます。食品工場での仕事後のシャワーは必須です。
食品工場でも部署によっては匂いと無縁
食品工場は大きく3つの部署に分かれます。
- 調理部門
- ライン部門
- 仕分け・箱詰め部門
匂いが最も染みつきやすい部署は断トツで調理部門です。調理部門では食材を加工したり加熱したりするので、食材を加熱した際の蒸気がもろに作業着に染みつきます。
ライン部門は調理部門と比較するとそれほど匂いは染みつきません。トッピングや盛り付けをする食材は冷却済みですのでそれほど匂いはしません。とはいえ、多少は匂いが染みつきます。
仕分け、箱詰め部門は、パッケージングされた製品を取り扱いますので、匂いの染みつきは無いです。しかし、食品工場自体に匂いが蔓延していますので、匂いの染みつきは厳密にはゼロではありません。ただ、まぁ、ほぼゼロと考えて構わないでしょう。
まとめ
本日の記事では食品工場の匂いについて書きました。
食品工場では製造する種類によって匂いが異なります。
魚を加工する工場は生臭いですし、ケーキや菓子の工場では甘い匂いがします。惣菜や弁当を製造する工場は様々な食材を加熱調理しますので様々な匂いがミックスされた独特な匂いがします。
ケーキ工場のような甘くて良い匂いでも、ずっと嗅いでいるとだんだんと辟易してきます。結局、無臭が一番です。
食品工場の匂いを確認する方法は、食品工場の建物をぐるっと一周すれば確認できます。特に厨房の換気扇の近くに行けば(厨房の場所がわかればですが)その食品工場の匂いがリアルに確認できるでしょう。
匂いは体に染みつきますので、仕事終わりのシャワーは必須です。スーパーやコンビニくらいなら行けますが、オシャレなスポットには行けません。
というわけで、意外と重要な「食品工場の匂い問題」についてでした。これから食品工場で働こうかなーと考えている方の参考になれば幸いです。