こんにちは。食品工場従事者のサカイです。
本日の記事では食品工場における
夜勤
について詳しく解説します。
食品工場には24時間ずっと稼働しているタイプの工場があります。代表例としてはコンビニの弁当を製造する食品工場です。
コンビニは24時間営業しています。尚且つコンビニの弁当はチルド製品です。
チルド製品は、賞味期限までの時間が非常に短いです。なので、コンビニ弁当を製造する食品工場(「ベンダー」と言います)は基本的に24時間稼働し、コンビニに製品を供給し続けています。
ベンダー以外の食品工場でも、24時間生産し続けないと、供給が滞ってしまう人気の製品がある場合、その製造ラインだけは休むことなく、24時間生産し続けます。
というわけで、本日は食品工場の夜勤のメリットやデメリットについて詳しく書きます。
食品工場の夜勤のメリット
深夜割増賃金・夜勤手当がある
ご存じの方も多いでしょうが、夜勤は賃金が割り増しされます。
深夜割増賃金
という制度です。
午後10時から翌朝午前5時までの時間帯は、日勤の賃金の1.25倍以上になります。これは法律で定められています。
日勤の人でも残業で午後10時以降働く場合、深夜割増賃金は適用されます。
そのほかに、
夜勤手当
もあります。
これは法律で定められたものではないですが、多くの食品工場が夜勤手当を採用しています。
だいたい月に数千円~1万円程度支給されます。
サカイが以前働いていた食品工場(ベンダー)では、夜勤の平社員と日勤の主任だったら、前者の夜勤の平社員の方が主任より収入が多かったですね。
昼間と比べると工場全体がひっそりとしている
夜勤は日勤と比べると社員もパートさんも人数が少ないです。また、昼間と比べて稼働している機械が限られているので、機械による騒音が少なく工場全体が静かです。
食品工場で実際に働くとわかりますが、機械の音って非常にうるさいです。食品工場では、少し離れた距離にいる人に声をかける場合、かなり大声で叫ばないと声が届かないです。それくらい騒がしいです。
しかし、夜勤では機械による騒音が少ないので驚くほど静かです。騒音によるストレスはなく、落ち着いた環境で作業が出来ます。
社長をはじめとした役職者・メンドーな上司がいない
社長や役職者は日勤ですので、夜勤の時間帯はいません。
日勤ですと、作業中に社長や専務などが急に工場に現れることがあります。別に社長が居ても居なくても、普段通りに堂々と作業をすれば良いのですが、実際は妙なプレッシャーを感じてしまうものです。
はっきり言って邪魔なわけです。
夜勤の時間帯は 社長をはじめとした役職者はいませんので、非常に気が楽です。
また、昼間は何かと騒がしい事務所ですが、夜勤の時間帯は、営業マンも事務員もいません。なので、休憩の際は気を遣うことなく、静かな環境でのんびり休めます。
来客ナシ、電話ナシ、クレームナシ
夜勤なので当然ですが、来客はありません。電話も留守電にしているので、仮にかかってきたとしても出る必要はないです。電話がかかってこないということは、クレームの電話もないということです。なんて気が楽なのでしょう!
病院、銀行、役所に行ける。
日勤で仕事をしている一般的なサラリーマンは病院、銀行、役所にはなかなか行けません。
時間を貰って1時間程度外出することは可能ですが、「周りに迷惑かなぁ?」などと考えてしまいがちです。また、会社によっては、1時間程度の外出でも届け出を提出する必要があり面倒です。
夜勤であれば、朝の7時8時に仕事が終わりますので、平日の空いている午前中に病院や銀行などに行くことが出来ます。
食品工場の夜勤のデメリット
眠くなる+健康リスク
人間は夜行性ではないので、どうしても24時が過ぎ、日をまたぐと眠くなります。人間の習性と逆行しているので、体調を崩す人もなかにはいます。また、夜勤は5年10年20年と長くなるほど寿命が縮まると言われています。
騒音で眠れない
夜勤の方は朝に帰宅して昼前に就寝するパターンが多いです。
しかし昼間は…
- 道路工事
- 建設工事
- 選挙の時期だと選挙演説
- 近くに公園があれば子供が遊ぶ声
など、騒音問題があります。
昼間に熟睡するのは案外困難なのです。
良質な睡眠がとれなければ、あっという間に人間は病気になってしまいます。
耳栓とアイマスク、あるいは遮光カーテンは必須です。
癖のあるパートさんが多い
夜勤で働くパートさんは日勤と比べて癖のある方が多いです。
社員は基本的に夜勤で働きたがりません。先ほど夜勤のメリットとして挙げた
- 社長をはじめとした役職者・メンドーな上司がいない
- 来客ナシ、電話ナシ、クレームナシ
これらは、一見「気楽さ」というメリットはありますが、視点を変えれば、
自分の頑張りを評価してくれる
- 上司の不在
- 活躍できる場の制限
に直結します
なので、社員で率先して夜勤をやりたがる人は少ないです。
しかし、夜勤で働くパートさんの多くは「仕方なく夜勤で働く」のではなく「夜勤で働きたい」人たちなのです。
なぜ、夜勤で働きたいかというと、一番の理由は夜勤の方が収入が多いからです。
ダブルワークの方、前職が水商売の方、外国人など、明らかに昼間のパートさんと比較するとキャラ強めの方が多いです。
あと案外多いパターンが、昼間に働いていたパートさんがトラブルを起こして、夜勤に移動してくるパターンですね。
機械が故障したらもう…オ・ワ・リ
機械が動かなくなって生産がストップ…
食品工場でこのような事態は定期的にあります。
昼間であれば、まずは、機械関係に詳しい技術系の従業員が点検します。
それでも直る見込みがなければ、業者や食品製造機械メーカーに連絡します。
故障した経緯などを詳細に説明して、どのような対処をすれば良いのか電話越しにご教授して頂きながら復旧を目指します。
それでも機会が復旧しない場合は、業者さんに工場まで来てもらい直接直して頂きます。
しかし、深夜だとそれが出来ません。
壊れたら、アウトー!です。
壊れないでくれ!と祈るしかありません。
心霊体験をしてしまう
病院の夜勤ならまだわかるけど、食品工場の夜勤で心霊体験なんてないでしょ?
とお思いのあなた。
これが、あるのです!
サカイが、夜勤の社員と仕事の引き継ぎをしているとき
「そういえばさー、さっき真っ暗な廊下を歩いていたら背中を叩かれて振り返ったけど誰もいなかった」
とか
「誰もいないはずの暗い休憩室に人の上半身だけがふわーっと浮かんでいた」
という話を真顔でされるのです。嘘をついているようには見えませんでした。
では、実際に幽霊はいるのか?
もちろん、いません。
サカイが思うに、夜勤という本来であれば寝ているはずの夜中の時間帯に、仕事をすることで神経や脳がバグったのでしょう。
つまりは「脳の錯覚」です。
まとめ
食品工場の夜勤のメリットは何よりも収入面です。日勤の収入の1,25倍以上になりさらに夜勤手当てが支給されますので、これはなかなかおいしいです。
そして、稼働している機械が少ないため工場全体が静かで、人員も最低限なのでひっそりとしています。
また、
- 電話もない
- 来客もない
- 役職者もいない
ということで、ストレスがかなり軽減されます。
食品工場の夜勤のデメリットは夜に就寝できないことから発生する健康上のリスクがあること。
製造機械にトラブルが生じた場合、夜中なので対応が出来ないこと。
心霊体験という「脳の錯覚」現象が起こるかもしれないこと。
そして、夜勤のパートさんはクセの強い方が多いので気をつけましょう。
というわけで、本日は食品工場の夜勤について書きました。これから食品工場で働こうかなと考えている人の参考になれば幸いです。
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