こんにちは。食品工場従事者のサカイです。
本日の記事は、食品工場で働く前に絶対に知っておきたい知識シリーズの第二弾として
「バット」「コンテナ」
について解説をします。
食品工場と一口に言っても様々なジャンルがあります。
- 弁当
- パン
- 製麺
- 製粉
- 菓子
- 水産加工
- 飲料
などなど各食品工場によって製造する製品は違います。
しかし、どんな食品工場でも今回紹介するバット・コンテナは必ず使用します。
ですから、これから食品工場で働こうかなぁと考えている方は知っておいて損はないです。
実際に食品工場で働きはじめれば否が応にもバット・コンテナについて知ることになるわけですが、どうせなら事前に知っておきたいと思いませんか?
というわけで。本日の記事ではバット・コンテナについて解説します。
バットとは?
バットとは入れ物です
食材や加工した調理品などを入れる頑丈な入れ物のことをバットと言います。
バットは別名「ばんじゅう(番重)」と呼びます。
バット=ばんじゅう
例えばもやしを大量にボイルしたら、もやしを入れる入れ物が必要になりますよね。
その際に使用する入れ物がバットです。
味噌汁やタレやそばつゆなどのいわゆるスープ系なんかもバットに入れます。
具体的には下の画像のような形状をしています。

このクリーム色のバットはド定番です。
サカイが現在勤めている食品工場でも、前職の食品工場でも、ケーキ工場でアルバイトしていたころでも、このクリーム色のバットを使用していました。
おそらく日本全国の殆どの食品工場でこのクリーム色のバットを使用していることでしょう。
もし、これから食品工場で働く予定の方は、いずれこのバットを生で見ることになるはずです。
コンテナとは?
バットと同じくらい必要なものがコンテナです。
バットは食品工場で製造した食材や調理品などの、いわゆる半製品を入れる入れ物ですが、コンテナは完成された製品を入れる際に必要な入れ物です。
深夜や明け方にコンビニへ行くとトラックが駐車場に止まっていて弁当やパンなんかを納品しているのをよく見かけますよね。納品の際に弁当やパンなどの製品が入っている入れ物、そう!あれがコンテナです。
様々な形状のコンテナがありますが、有名なのはこれでしょう。

この青いコンテナ。これは上記のクリーム色のバットと同じくらい食品製造業界ではド定番のベストセラーです。
サカイが現在働いている食品工場でも、前職の食品工場でもこの青いコンテナを使用していました。もう食品工場従事者の間ではお馴染みのコンテナです。
ちなみに、コンテナは納品時に回収します。ですので、丁寧に扱いましょう。
バットとコンテナが無ければ生産できません
食品工場において「バット」と「コンテナ」は超必須アイテムです。
ただの入れ物なのではありません。食品工場における生命線でありアキレスです。
バットがなければせっかく調理した食材や加工品をラインで盛り付けられません。
コンテナが無ければせっかく製造した製品を出荷できません。
当たり前じゃん
当たり前だけど意外と盲点なんですよ
食品工場には繁忙期があります。大量の生産が3日くらい連続で続くと
コンテナがない!!
意外と食品工場あるあるだったりします。
繁忙期はバットやコンテナの数を確認して生産計画を組む必要があります。
バットやコンテナの洗浄方法
食品工場では人の口に入る食べ物を製造しているわけですから衛生的でなければいけません。当然バットやコンテナも綺麗に洗浄します。
大きな食品工場であれば、自動洗浄機で洗浄します。
小さな食品工場であれば、食品工場内の一角に洗い場を設置し、そこでひとつひとつ手作業で洗います。
食品工場ではバットやコンテナを洗う専門の担当者がいる場合が多いです。一日中ひたすら洗うのでなかなかハードな仕事です。
バットは洗浄した後に加熱殺菌し、使用前には汚れが残っていないか目視チェックし、綺麗であればアルコールを噴霧しタオルで拭きます。
コンテナと違いバットは食品や加工品を直接入れるので、厳重な衛生管理が必要です。
バットの材質によって用途を分ける
バットの材質は
- ポリプロピレン
- プラスチック
- ステンレス
- アルミ
などがあります。
材質による違い1:熱の伝導率
熱の伝導率が高い方が冷えやすかったり、冷凍の食材を溶かすとき溶けやすかったりします。
例えば、スーパーで冷凍の刺身を購入してきてすぐに食べたいとき、
- シンクのステンレスの上で溶かす
- 木製のまな板の上で溶かす
どちらが早く溶けると思いますか?
経験則的にステンレスの方が早く溶けることを皆さんは既に知っていますよね。
ちなみに上記に挙げた材質のなかで最も熱伝導率が高いのはアルミバットです。
材質による違い2:重さと価格
先ほど、繁忙期になるとバットが無くなり生産が出来なくなる可能性があると書きました。
つまりバットは膨大な数が必要になります。なので、重さと価格が大事になります。
なるべく軽くて安価、尚且つ頑丈なバットが好まれます。
そのような観点から、プラスチックやポリプロピレンのバットが人気です。
ただ、プラスチックの場合は破損しやすいです。プラスチックの破片が製品に混入し異物混入のリスクが生じますので、そこはデメリットとしてあります。
バットの重量を覚えておくと便利
バットに入れた食材の重さを計る時はバットの重さを引かなければなりません。
容器の重さを引くことを「風袋(ふうたい)を引く」と言います。「かぜぶくろ」じゃないから気をつけましょう。
バットの中に入っている食材が人参3本とかなら、人参をどかして、バットだけを秤に乗せ、風袋をゼロにし、人参を改めて乗せて計ればオーケーです。
しかし、バッドに入っているのがスープやソースだったらどうでしょう?面倒ですよね。
バットやコンテナは何種類もありますが、それぞれの重量を把握しておくと便利です。
サカイ@食品工場従事者(プロ)は食品工場で使用する全てのバッドの重さが頭に入っています(ドヤッ)。
バットの発音は?
食工場で使用するバットの発音は野球のバットとは違います。
野球のバットと違い、語尾が少々上がります。
バット↑です
つまり
嫉妬
と同じアクセントです。
ねぇ、サカイのおじさん。どうでもよくない?(呆)
おわりに
本日の記事では食品工場で働く前に絶対に知っておきたい知識シリーズの第二弾として「バット」「コンテナ」について解説しました。
「バット」は食材や具材や半製品、「コンテナ」は出荷する製品を入れる入れ物です。
たかが入れ物 されど入れ物
入れ物がなければ生産はストップしてしまいます。
繁忙期の食品工場ではバットやコンテナが足りなくて大パニックに陥ることが稀にあります。繁忙期の生産計画はバットやコンテナの数を把握しながらする必要があります。
また、バットは材質によって
- 熱の伝導率
- 耐熱性
- 価格
- 重さ
- 匂い移り
など、それぞれに特徴がありますので使い分けが必要です。
さて、みなさん!「バット」「コンテナ」がどういったものなのかイメージできたでしょうか?これから食品工場で働こうかなぁ、と考えている方の参考になれば幸いです。
