こんにちは。食品工場従事者のサカイです。
本日の記事では、食品工場で働く際に身に着ける
- 帽子(インナーキャップ、フードキャップ)
- 作業着(ユニフォーム)
- マスク
- ゴム手袋
- 腕カバー
- 長靴
- エプロン
- インナー
について詳しく解説します。
食品工場での服装は他業種と比べて特殊な格好です。気をつける点や細かなルールがあります。
これから食品工場で働こうかなーと考えている方で
食品工場ってどんな服装で作業するのかなぁ…
と疑問に思っている方の不安が解消されれば幸いです。
帽子
食品工場で作業をする際は帽子を被ります。
なぜ帽子を被るのかというと
毛髪が食品に混入するのを防ぐため
です。
食品工場では毛髪を混入させないためにあらゆる対策を講じています。
例えばコロコロ。
コロコロとは、粘着テープでカーペットをコロコロさせて小さなゴミや髪の毛を取るお掃除道具のことです。
食品工場では自分自身にコロコロをします。衣服についている髪の毛を完全に除去するためです。しかも、1日に何回もコロコロします。
食品工場では一日に何回もコロコロ(粘着カーペットクリーナー)をするって本当?
毛髪を混入させないためにはどうすれば良いか?
シンプルに物理的に考えればわかることですが、
頭をまるごとすっぽり覆う帽子を被れば良いのです
故に、食品工場の帽子は
まるで、スピードスケートのユニフォームみたいに顔だけが出る帽子を被ります。
これをインナーネットと言います。

インナーネットを被り髪の毛がちゃんと
- 収まっているか
- 飛び出ていないか
鏡で確認します。
次にフードキャップを被ります。
ゆるみがないように調節(首元と後頭部でサイズを調節します)しましょう。

帽子の被り方についてはこちらの記事で詳しく書いています。
【画像あり】食品工場の帽子の被り方・着用方法を徹底解説します。食品工場の帽子はちょっと特殊?
作業着(ユニフォーム)
食品工場の作業着は↓の画像のような感じです。

日本全国どこの食品工場でも基本的に上のような作業着を着用して作業します。
なので、私服では作業できません。
食品工場で着用する作業着の上着は前をチャックで閉めるタイプが多いです。
ズボンはシンプルな形状です。
生地は薄くて通気性の良い素材で作られています。
色は基本的に白が多いです。
普段着で白だと汚れが目立ちやすいのがデメリットですが、食品工場では汚れが目立ちやすいことがメリットとなります。
常に清潔な状態を保つためには、白である方が便利なのです。
ズボンの生地が薄くて白色だったら下着がはみ出てしまうのでは?
と女性の方は不安に思うことでしょう。
これに関しては心配ありません。


このようにお尻から太ももの辺りまでの部分は生地が二重になっていますので透けることはないでしょう。
帽子と作業着を紹介しましたが、着用する際は
帽子→上着→ズボン
の順番で着ましょう。フードキャップには下の画像のようにはひらひらがありますから

上着から着用すると帽子のひらひらが首元でゴワゴワになってしまいます。また、上着にもひらひらが付いていますので先に上着を着てからズボンを履く方がスムーズです。
※ちなみにこのひらひらは毛髪落下を防止するためのものです。
マスク
作業中はマスクをします。飛沫が製品に付着するのを防ぐためです。
食品工場では人の口に入る製品を製造していますから、毛髪などの目に見える異物はもちろん、目に見えない飛沫や細菌にも気を配る必要があります。
ちなみに、工場で着用するマスクはコロナなどのウィルス感染症や粉塵を防止できるような、不織布のマスクではありません。
非常に安価で薄っぺらいマスクですので、工場のマスクをしたまま外出するのはやめましょう。
フードキャップをかぶっていたら耳にマスクを掛けられないんじゃないの?
良い質問ですね。

フードキャップにはマスクの紐を引っ掛けられる場所があるんですよ!
ゴム手袋
工場に入室したらゴム手袋を着用します。
工場に入室する際は念入りに手を洗いますが、それでも、手にはウィルスが付着しています。特に爪の間やシワの間に汚れが溜まりやすいです。
なのでゴム手袋を着用し作業します。
多くの食品工場ではニトリルというメーカの青色のゴム手袋をします。
サイズはSS S M Lの4サイズあります。
男性はSかM
女性はSSかS
を着用するのが一般的です。
ゴム手袋のサイズが自分の手の大きさにフィットしているかどうかは作業性に直結します。
大きすぎると作業は当然しづらいです。
逆にピチピチの小さい手袋だと圧迫感がありますし、手袋も破けやすくなってしまいます。
もし、SS S M Lサイズのなかで自分にジャストフィットするサイズがない場合は下履き手袋を着用しましょう。
下履き手袋はホームセンターで売っていますよ
Sだと小さいなぁ…でもMだと少し大きいんだよなぁ
という人は下履き手袋を着用することでMサイズがぴったリになることでしょう。
肌が弱い人は下履き手袋
また下履き手袋は肌の弱い方やアトピー性皮膚炎の方にとっても心強い味方です。
ゴム手袋だけだと水が中に入りこんで手の皮がふやけてしまったり、痒くなってしまったりする方。アトピーが悪化してしまう方は下履き手袋を着用することで肌の負担が減ります。
食品には青色が存在しないからです。もちろん青の着色料を使えば青になりますが、青色って人間の食欲を減退させる色なので、着色料としても使用されることは少ないです。
なので、青色だとゴム手袋が破けて、破片が製品に混入した時、発見しやすいのです。
食品工場で怪我をしたときに支給される金属探知機に反応する絆創膏が青いのも同様の理由です。
現在マスクとゴム手袋は新型コロナの影響により価格が高騰しています。本来は手袋がある程度汚れたらその都度新しいのに取り換えていましたが、現在ではなるべく丁寧にとり扱い、取り換える回数を可能な限り少なくすることが推奨されています。
腕カバー(アームカバー、腕抜き)
腕カバーは食品工場従事者にとっての必需品です。
腕カバーって何のためにするの?意味あるの?
腕カバーをするメリットはたくさんあるんですよ
上着の袖口からの体毛の落下を防ぐ
腕毛が濃い人って結構いますよね。当然腕毛は抜け落ちますので落下防止のために腕カバーは必須です。
袖の汚れを防止
家庭でも食器を洗う時って腕まくりをしますよね。そうしないと袖が濡れちゃいますから。
でも、食品工場で洗い物をする際、腕まくりはできません。上述したように体毛の混入の恐れがあるからです。
腕カバーをすることで、袖が濡れるのを防げます。
腕カバーをすることで作業着の袖の汚れ防止にもなります。
火傷防止
高温の油を取り扱うフライヤー調理は火傷のリスクと隣り合わせです。
腕カバーをすることで高温の油が跳ねても「アチッ!」となるのを防止してくれます。
また熱湯を扱う場合にも腕カバーは重宝します。衣服の上に熱湯がかかると地獄ですが、腕カバーは撥水性があるので沁み込みません。
- 腕抜きは1日の作業が終了したら中性洗剤を使用し綺麗に洗いましょう。腕カバーの内側は熱や湿気がこもり、汚くなりやすいので裏側も洗いましょう。
- 腕カバーは使い捨てではありませんが消耗品です。ゴムが緩くなったり、素材が劣化し硬くなってきたら新品に取り換えましょう。
長靴
調理部門、ライン部門では長靴を履きます。
食品工場で支給される長靴は耐熱・防水加工されていますので、足に熱湯がかかっても問題なしです。
ただ、履き心地は悪いのでインソールカバー(中敷き)を使用することを強くお勧めします。100均で売っているもので十分です。
食品工場というと、同じ場所で動かずずっと盛り付けをするみたいなイメージがあると思います。
実際はめっちゃ歩きます。めっちゃ有酸素運動です。
歩き心地の悪い長靴だと疲れます。インソールカバーを入れるだけで想像以上に快適になります。
長靴は1日の作業終了時に洗います。また、長靴のなかはカビやすいので保管時は乾燥剤を入れると良いでしょう。
ちなみに、箱詰めやサーマル(シール)貼りなどを担当する従業員はスニーカーで作業します。
エプロン
長靴と同様、調理部門、ライン部門の従業員はエプロンをします。
エプロンと言っても、主婦が使うような布製のエプロンではなく、耐熱・防水用のエプロンです。スーパーの鮮魚売り場の従業員が付けているようなエプロンですね。
エプロンも、作業終わりに中性洗剤で洗います。注意点としてはエプロンの表側だけでなく裏側も洗うことです。
すぐにカビが生えますので気をつけましょう。
まな板は表側だけでなく裏側も洗う。包丁は刃だけでなく柄も洗う。ボールは中だけでなく外側も洗う。衛生管理の基本ですな。
インナー
食品工場の作業着は夏も冬も同じものを着ます。
作業着の中のインナーを工夫することで温度調節をする必要があります。
夏のインナー
夏場の食品工場はとにかく熱いのでインナーはTシャツ一枚で十分です。
汗をかきやすい人は替えのシャツを1~2枚用意しておくと良いでしょう。
一般的なTシャツの素材は綿ですが、綿だと汗を吸収して乾いた後、臭くなりやすいです。サカイ的にはユニクロのエアリズムやスポーツウェアなどの速乾系のシャツがおすすめです。これだと臭くなりにくいです。
夏場は靴下の替えも一足は必要です。食品工場で働いていると長靴の中に水が入ってしまい靴下がびちょびちょになってしまうことがあります。
冬なら乾くのを待てばそれでよいのですが、夏だと異臭の原因になります。周りにも迷惑がかかりますので靴下の替えは必須です。

食品工場では毎日同じ作業着を着ます。洗濯などの管理は基本自分でしなければなりません。清潔に気を遣わなければすぐに汚れが目立ち臭くなります。
食品工場は女性の多い職場です。特に一人暮らしの男性従業員は気をつけましょう。
冬のインナー
冬場は長袖のシャツとタイツ(ももひき)はマストアイテムです。
ヒートテック(ワークマンブランドもアリ)がおすすめです。ヒートテックのサイズは大きめのサイズではなく若干タイトなくらいの方が保温効果があります。
食品工場で履く長靴は足がめちゃ冷えますので靴下も温かいタイプのを選びましょう。
おわりに
というわけで、食品工場で働く際に着用するものについて網羅的に紹介しました。
あらためて考えると食品工場ってなかなか着用するものが多いですね。
いろいろ紹介しましたが
最も気をつけるべきは帽子です。
食品工場で毛髪落下による異物混入は絶対にあってはならないので、帽子を正しく着用することで毛髪落下の可能性を封じ込めましょう。
あと、作業着はもちろん、エプロン、長靴、腕カバーなどは毎日作業終わりに洗い清潔にしましょう。
時間をかけて丹念に洗う必要はありません。2~3分程度で良いのです。大事なのは
- 洗うことを習慣化すること
- 常に気にかけること
です。
そうすれば清潔を保てます。
というわけで、最後までお読みいただきありがとうございました。